暑い真夏の陽気の中、代々木競技場 オリンピックプラザ内で開催中のシャネル モバイルアートへ行って来ました。
予想していたものの、長蛇の列のキャンセル待ちチケットはあきらめて外観のみ鑑賞する事に…
これだけでも充分来た甲斐がありました!
デザイナーであるザハ・ハディド(女性)は凄い。
そのフォルムは宇宙的であり意志を持つ生命体のようでもあり、繊細でありダイナミックだ。 パネル構造のためにつなぎ目があるのだけれど、その存在もバランスもいい味になってる〜!
背景に見える国立代々木競技場も、優雅な曲線構造の建築なのですが、40年前と現代という時代の異なる二つの建造物の以外なマッチングに気づいて、これもまた愉快な感じ。
今日は展覧会のはしごです。
次は上野の芸大で開催中のバウハウス・デッサウ展へ。
上野からニカさんと「芸大って駅からの環境にまで恵まれていて良な〜!」などと話しながら歩く。
バウハウスとは20世紀初頭のドイツに存在した造形学校。
建築(バウ)を最終目標に、あらゆる芸術を統合させようという理念のもと、新しい造形教育と、新しい社会のためのデザインを目指したモダンデザインの源流で、ニカさん憧れのバウハウスです。
一番印象的だったのは、当時の学生作品のレベルの高さ。
物質研究様々な素材による構成:ヨハネス・イッテンの予備課程での演習や 素材研究:構成と安定度の研究や立体的、動的素材研究などなど。 学生も師匠(マイスター)も時代を変えるべき使命感で、楽しみながらも高度な次元に挑戦している。
芸大の環境も目じゃないくらい羨ましい…羨ましくて絶句。
当時の商品:キッチン用品や照明、椅子、家具などが展示されていましたが 今でもアレッシィのバウハウスコレクションなどではキッチン用品が。
椅子や照明器具などでも多数が、その時代の形のまま、古典としてでなく販売されているという事実は、形状だけでなくモノへの思想(哲学)が伴わなくてはあり得ない事でしょう。
なぜか私も学生の初々しい気持ちに立ち返ってしまって、本日感じた事。
モバイルアートにしてもバウハウスにしても、その時代に生まれた意味を問い直し、時代のテクノロジーを駆使しつつ、過去の既成概念から脱却した人達の凄さだ。 天才が時代を変えるんだなあ…と感心しつつ、羨ましくも潔く諦められる、見応えのある一日となりました。