3D脳
エルグデザインの、ここ数年の課題として3Dソフト(平面図から立体を興し、レンダリングする)のマスターがあった。
最初に取りかかったShadeは工業デザインに向かない事がわかり、本格的に始めた3DソフトはFormZ。
サーフェイスとソリッドの違いもよく分からないまま、合計すれば10cm以上の厚さになるマニュアルを読みながらの作業のだけれど、これが思うように形になってくれない。
この時のPCはMac-G4だったせいもあるけれど、図形の移動だけでも複数の条件を選択する必要があり、マニュアルの意味は分かりにくいし、動きは遅いし、エラーは多いし、で眉間のシワを増やしては遠い道のりを思いため息をついていた。
そんな私の苦悶する姿を横目で見ながらニカさんはFormZからコンセプトアンリミテッド(Concepts Unlimited)への変更を決意。
そしてなんと購入から間もなくサクサクと使い始めたではないか。
私にも意地がある。せっかくどうにかマスターしたのにここでFormZを見捨てては今までの苦労が無駄になる〜。という腐れ縁のような関係をズルズルと続けたのだが、ついに見切りをつけた。
そしてMacG5対応のConcepts Unlimitedへ移ってみたら、なんと今までの苦労が嘘のように目の前に明るい別世界が開けたのだ。
(注/PCとソフトのバージョンの違いも大きいと思う)
一時は二人とも3Dモデリングに夢中で、気がついたら深夜だったという事もある。まるでゲームに取り憑かれた子供のようだったかも。
でも集中して経験を蓄積したおかげで脳が3Dに対応して再構築された気がする。
言葉ではうまく言えないけれど立体を考える時の脳の使い方が変わったような…そんな気分かな。
FormZでの経験も含めて、年と共に衰え始めた脳には良い刺激だったに違いない!と思う事にしよう。
今回は大田区の中小企業とのお仕事があったのだけれど、とっても役に立ちました3D。
デザイナーとのお仕事に経験のない方にも3D画像を見ていただけば形状を容易に理解していただけたし、ダミー用の構造検討も正確にプロットできたし、モデルメーカーさんにもデータを渡せたし、おまけに秋にあるショーに向けてのチラシやタペストリーに使う画像までにも使える働き者。
かかった時間を考えるとコストに合わない所が難点かな。
まあそれも授業料という事でしょうか。
3Dの今後はもっと幅広く展開できそうで、苦労も報われる事もあるなあ、と思う今日この頃です。
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