株式会社ハムロンテックは、時計や携帯電話などの防水試験機で国内シェアNO.1の企業です。 B to Bの製品を製造しているので、これまではデザインが関わる必要はなく、社内の設計部門で製品化して来ました。 しかし最近では、B to Bの製品にもデザインの完成度を求められることが多くなったことから、この度デザイン導入のご依頼をいただきました。
最初の画像は、社内設計による試作1号機です。鮮やかなブルーがハムロンテックの製品カラーです。 板金と引き抜き材を使った箱型の設計から、どんな展開が可能か… 、今回はここからがデザインのスタートです。
デザインプレゼンテーションでは、3案を提案いたしました。
プレゼンの前にデザインによる新構造が実現可能かを設計者に打診していたのですが、有難いことに設計のAさんはプレゼン当日までに3案の構造を検討してくれており、3案とも実現可能であるという回答とともに、使える既製材まで検討していてくれました。
プレゼンでは簡単な模型を作って、フロントパネルの角度による操作性の検証も行いました。 ここで設定した角度が、量産試作機に反映されます。 こちらが、決定したデザインのCG(コンピュータ・グラフィック)です。 4本の支柱構造を特徴としたデザインで、鮮やかなハムロンブルーをポイントカラーとして効果的に使いました。 試作機では後付け感のあった上部カバーでしたが、全体がひとつの製品としてまとまって見えるように配慮しています。
こちらが量産試作機です。 CGと、ほとんど変わらず仕上がりました。 アクリルがブラックスモークなのは、Aさんのこだわりです。
内部の整備がしやすい構造です。 設計のAさんと、完成を祝っての記念写真。 Aさんは、より良い製品にしたいという情熱から、デザインイメージ通りに完成させてくれました。 これまで製造して来た自身の設計の殻を気持ち良く破ってくれたのは、プロの設計者魂と思います。
今後、ハムロンテックにて製造する近似仕様の機種については、Aさんがこの構造を展開し、ハムロンテックブランドとして統一したイメージの製品にしてくれることと思います。
よろしくお願いします。