この章でフィレンツェレポートはお終いです。 ずいぶん長くお付き合いをしていただき、ありがとうございました。 フィレンツェは、教会と宗教の街でした。 権力と財力にまみれた教会には反感を感じますが、今よりずっと死が近かった人々にとっては救いの象徴だったのだと思います。 滞在中、ストリートミュージシャン(Sepia)が奏で、広場に流れていた曲Hallelujah:ハレルヤが、私にとってフィレンツェをイメージする曲になりました。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の大理石ファサードは500年もかけて完成したようですが、それぞれの時代のデザインがゴッチャになっても独特の雰囲気でまとまっています。
内部の絵画のようなステンドグラスが見事でした。
元修道院の建物を使用した美術館も併設されています。 中庭を囲む回廊に描かれたフレスコ画も見事ですが、もうたくさんあり過ぎて…さすがに途中で飽きました。
続いて、サンタクローチェ教会。 こちらも美しい教会ですが、私たちが訪れた数日後に柱の頭頂飾の落下による観光客の死亡事故があったそうです。 そういえばドゥオーモでも街中でも、崩れそうで危険に思える所がありました。 古い街を安全に維持するのは大変です。くれぐれも足元にも頭上にもご注意を。
この教会には、ミケランジェロやガリレオ・ガリレイ、マキャベリなどが眠っています。 左がミケランジェロ、右がガリレオのお墓です。(☟クリックで拡大してね) 本人の彫像と、成果を讃えた大理石の立派なものです。 室内に置かれた石棺は日本人には馴染みが薄いですが、教会ではたくさん見られました。 この中に本人のDNAが復活の日を待っているとは…、あまりリアルに想像したく無い世界ではあります。
こちらは洗礼堂。これまでの装飾的な教会とは異なり、八角形の直線的なデザインの教会です。 新しく感じますが、11〜12世紀に建てられたフィレンツェでも古い教会です。 ドゥオーモとジョットの鐘楼の隣にあり、3つの建物はもったいないくらい重なっています。 お互いにもう少し離れてくれていた方が写真映えするのになぁ。
外からは想像できないほど、内部は一面に絢爛豪華なモザイク模様。 黄金がはめ込まれているように重厚に感じます。
次は、フィレンツェには珍しく質素な趣のあるサン・ロレンツォ教会。 4世紀頃建てられた、最も古い教会の一つだそうです。 未だにファサードが未完成なのだそうですが、これが良い味になっています。
こちらも外観からは想像できない優美な内装です。 もしかして、教会は外装と内装のギャップを、意図的につけて感動を与えている?
最後はメディチ家礼拝堂です。(この建物は君主の礼拝堂)
他の教会と比較しても色大理石や宝石がふんだんに使われ、メディチ家の権力と財力を見せつけてくれます。
この新聖具室はミケランジェロの設計で、とてもシンプルでした。 彫刻もミケランジェロ作。 彫刻が引き立つ空間を計算して設計したように感じました。
フィレンツェの空には、何度か十字の飛行機雲を見つけました。(中央左下方) 意図的なのかはわかりませんが、神とともにある街という印象的な空でした。
帰国直後のフィレンツェの印象は、あまりの観光客の多さと、モクモクの歩きタバコ、それにまずい食事が揃って疲れまくり、かなり残念な街でした。 少し時間をおいて旅行記をまとめて行く中で、別のものが自分の中に残っている事に気が付きました。 これまで訪れた街のように、フィレンツェもまた私の血と肉になってくれたと感じます。
コメント
いい曲だね。
こんな曲がストリートミュージシャンの演奏で聞けるなんて、
やっぱりヨーロッパだわ。
旅行記は書くのが大変だけど、もう一度旅した気分になれるよね。
お疲れ様、私も行った気分になれて楽しかったよ。
食レポが無かったのがちょっと残念だったけど…
フィレンツェでハレルヤを聞いた時は感動したよ。
Sepiaは、バイオリンとギター(男女) の
デュオで、とても素敵でした。
フレンツェ料理の食レポは、野菜が少なくて、
お肉が硬くて、煮込み料理は癖があって、
パンはパサパサでした。
唯一良かったのはホテルの朝食です。
特に朝のバイキングにスパークリングワインが
ついていたのが最高〜〜!(^∇^)
おお、いい曲だ。
癒されるね。
>これまで訪れた街のように、フィレンツェもまた私の血と肉になってくれたと感じます。
この感覚いいなあと思ったよ。
旅の醍醐味だね。
いい旅ができて無事に帰ってこれて本当によかった。
カネゴンもナオチャも
この曲を気に入ってくれて嬉しいな!
(^‐^)
音や、匂いや、気温なども
その土地の記憶の一つとして残るよね。
そそっかしいので、忘れ物や怪我がつきものだけど
無事だったのも何よりでした。