一村展と昼から一杯と縄張り争い

水曜日、上野の東京都美術館で開催されている「田中一村 展」に行きました。

朝までの雨が上がり爽やかな好天に恵まれたため、上野の美術館のチケット売り場はどこも長蛇の列。
田中一村展の会場もかなり混雑していましたが、第一章から三章まで時代に分けて展示された作品数の多さと、画力には圧倒されました。
大きなパネルは、奄美での代表作です。


入館して最初の若き南画家時代、一村7〜8歳〜10代の作品を観て「やっぱり神童っているんだなぁ」という驚きから始まります。
以下2点は、一村8歳の作品。(田中一村展公式サイトより)

1908年に生まれ、画才に恵まれながらも、自我を通し、運にはあまり恵まれなかった一村。
いくつもの苦難と転機の末、50歳でたどり着いた奄美大島での作品は特に素晴らしく、モダンで大胆で繊細で、独特の静謐な世界観。

苦しい生活だったそうですが、これだけの作品を残せたのなら、画家として達成感のある人生だったと思います。

孤高の生活を続けた一村は、1977年、69歳で亡くなるまで名声を手にいれることはなかったけれど、没後の遺作展で人気を呼び、2001年には奄美に田中一村記念美術館が設立されたそうです。

没後半世紀近く経った後、上野の美術館で大きな展覧会が開催され多くの人に感動を与えていることを、天国の一村に伝えたい気分です。


2時間ほど美術館で堪能した後は、喉はカラカラ、お腹もペコペコ。

上野からアメ横方向に歩いて良さそうな中華料理のお店を探しました。
ガード下は通り狭しとテーブルが出て、外国人も日本人もゴチャゴチャに昼から一杯で盛り上がっています。

この場所は以前とはすっかり様変わりしていて、グルグル回っても一般的な中華料理店は見つかりません。
店も、客も、料理も、国籍不明で怪しげな喫煙可のお店ばかり。

足も疲れたし「郷にいれば郷に従お〜!」というわけで、呼び込みのお姉さんの声につられて外テーブルに陣取りしました。

ウ〜〜ン、空腹は何よりのご馳走だね!

頼んだものは、左から、イカの天ぷら(←という名のサキイカのフリッター?)、焼き鳥、マグロとアボカドのワサビあえ、明太チーズジャガイモ、などなど。

最後の〆に、先のイカ天にも懲りずリベンジで「天丼!」を頼んだニカさんに対して、「この店の天丼はお勧めできません…」とお店のお姉さん。

そこは素直に忠告に従って、チャーハンと海鮮丼を頼みました。

怪しげな割にはさすが日本!
正直な店員のお姉さんと、少し不思議なお料理と、明朗会計で上野の迷宮を充分楽しみました。


雨の日と外出が続き、2日間餌やりができなかった結果、翌朝早々お腹を空かせた猫たちが初の鉢合わせ。

「アゥ〜〜〜〜」という唸り声で窓から庭の様子を見ると、攻めるネズミちゃん(青丸)に対して「目、合わせんとこ」を決め込むプーちゃん。

喧嘩になると大変!とドアを開けたら、ササっと逃げたプーちゃんの負け。

プーちゃんは、オスなのかメスなのか?
できれば仲良く遊んで、庭を猫の楽園にして欲しいものですが。

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コメント

  1. 晶子 より:

    田中一村さん、大好きです。かなり前にお隣の菊川市の常葉菊川高校(美術コースがある高校)のキャンパス内にある美術館で結構沢山見たのが初めてで、画力に感動して、その孤高の厳しい人生に涙しました。ルソーの絵のようなむせかえる様なジャングルの感じはいつ見ても新しく、この良さを理解しない当時の日本画壇の頭の固さに憤りを覚えました。日本の宝なのにねえ。 

    いつも好きと熱く語っていたので、務さんが、美子ちゃんがアップしてるよと教えてくれたので、突然コメントさせていただきました。
    ランチ飲み良いですねー。

  2. ヨシコ より:

    >晶子さま
    わ〜〜い、お久しぶりですね!
    ご無沙汰ばかりなのに、コメントいただき嬉しいです。
    田中一村展は、本当に見応えある素晴らしいものでした。
    それに媚びない孤高の生き方にもグッと来ちゃいますよね。
    あのジャングル感は、私もルソーを思い浮かべました。
    大胆な構図なのに、近くで見てもすごく繊細な筆使いでした。
    早く生まれすぎたのか..、本来なら巨匠と呼ばれるべき作家なのにね。
    もっと世界にも認めてもらいたいよね”!

    こちらは相変わらずやってます。
    またご一緒したいなぁ。

  3. アトム より:

    学生当時上野には広大な二輪中古車街や、もちろん美術館もあって良く行きました。
    ガード下の軍装の田中商店とか中古カメラ店、革雑貨、カレー150円など貧乏学生のお気に入りでした。雨降りの夕方だとブレードランナーの世界だし。
    今やあの辺のオーナーは殺傷事件もあった中国人らが何店も所有しているみたいですね。
    そうですか、様変わりしてしまいましたか・・・

    • ヨシコ より:

      >アトムさん
      学生当時なら、なんともう45年以上も昔のことになるのですね。
      田舎から出て来た私にとっても、上野は別世界でした。
      これだけ世界が変わっているのだから、上野の街が変わるのも当たり前ですか。
      でも、芸術と混沌が隣り合わせの面白さはそのままでした。
      150円のカレーなんて、良い時代でしたよね。
      そんな風に夢のような昔を思い出せるって幸せだと思います。

  4. カネゴン より:

    上野は今、埴輪展やらモネ展もやっているみたいだね。
    青梅ももう少し都心に近いと気軽に見に行けるんだけれどね~
    あとはタダのグリーン車に乗れるとか… 今回グリーン車はダメだった?

    さすがニカ家の食に関する勘は凄いなって思うよ。
    カネゴン家ならそういう気持ちがあっても、いざとなったら尻込みしてしまって、結局
    当たり障りのない店に入ってしまいそうだわ。

    ネズミちゃんとプーちゃんは茶々丸とミーコ以上に喧嘩しそうだね。
    もっとも茶々丸もミーコも、あまり「命がけ」の必要はなかったからかもしれないけど…
    いつか2匹揃って三つ指を付いて玄関前で待っている時が来るといいね、と思いながらも
    やっぱり有り得なさそうだね。

    • ヨシコ より:

      >カネゴン
      そうなの、上野は今モネ展や埴輪展もやっていてどこも混んでいたよ。
      面白そうだったけど、さすがに展覧会のハシゴするパワーは無かったわ。
      青梅線のグリーン車、バスを降りて駅を見たらちょうどホームに入って来たところだったのよ。
      あと2分前にバスが着いたら乗れたのに〜〜!残念。
      カネゴンは運がよかったね。

      上野界隈は、当たり障りのない普通のお店なんて見つからなかったのよ。
      もっと事前に調べれば良かったのかもしれないけど。
      でもあそこへ行ったら、あの空気を楽しんだ方が正解。
      料理の味はともかく、皆が楽しそうにしてるので、ついこちらも楽しくなっちゃうよ。

      なかなか初対面の猫同士で仲良くなるのは難しそう。
      プーちゃんは、ネズミちゃんが私にスリスリするのを見ていたから
      甘え方を学習してくれるのを期待しているのだけれど、
      猫は期待どうりにならないものね〜。

  5. 直子 より:

    美術展で思い出したよ。
    何日か前に高校の同窓会報が届いて、その中に美大でよっちゃのひとつ後輩、私とは一年の時に同級生だった奥田さんが載っていたね。
    よっちゃも見たかな?
    数々の美術品の入選の気楽にびっくりさ。
    こういう才能があるっていいなぁと改めて思っちゃった。

    ビール、美味しそう。
    昼間から飲むのもいいよね。
    お料理はイマイチだったみたいだけど(笑)
    ネコちゃんの話はいつ聞いてもほっこりするよ。

    • ヨシコ より:

      >ナオチャ
      残念ながら、高校の同窓会報はウチは来ないのよ。
      一級下の奥田さん…、同じ美大に行った人?
      ゴメン、あまり覚えていなくて…、大丈夫か私。
      奧田さん、活躍しているのね。
      すごい!同窓生としても嬉しいわ。

      昼から飲むのは罪悪感のある人もいるようだけど、明るくて気分良いよ。  
      楽しく飲めるうちが花だもの。
      ナオチャはあまり飲めないんだったね。
      昼ビールも美味しいよ!

      プーちゃんは、アレ以来ウチに来ていないのよ。
      お腹すかしていないか、心配だわ。