■はじめに

私は家で過ごす時間が好きだ。
狭いながらも庭の花々に囲まれた安全で落ち着いた空間がある。
それでも時々居心地の良い場所を離れて、ちょっと危ない旅に出たくなる。
地球の色々な表情を体感すると、自ずと自分の生活を見直してリセットでき、
当たり前でいた事が違って見えてくる。

な〜んて書くと体裁はいいけど、映像でしか見た事のない世界を
この目で見たいっていう好奇心が一番の理由かな。
エジプトもインドもそうだけど、二次元でしか知らなかった世界は一度行くと、その後に得る情報のリアリティが違うのだ。
光の色、臭い、気温、湿度、人々の表情、雑踏や音、
それらの体験が情報に奥行きを与えてくれる。
今回は、カンボジアでは遺跡巡り、バンコクではアジアの街の雑踏を体感する旅。
父が亡くなってから4ヶ月、残された母をこちらの世界に引き戻す旅でもある。
出発前の東京はうだる猛暑、なのに更に暑く雨期の亜熱帯の遺跡巡りに、
70才を超えた母を連れてゆくなんて少々無謀かなあ。
それでも母は行く気満々、ウオーキングと野良仕事で足腰鍛えているらしい。
それならば元気なうちに行ってみましょう未知の世界、いざ亜熱帯のクメール文明へ!
注)おことわり/以下の写真はあまりに普通の観光写真です。

 ■最初からトラブル/6月30日

今回の旅は私達3人のみのツアー、現地ガイドのみで添乗員は無し。
日程表では成田を発ってからバンコク空港着後、第一ターミナルの出口で待つとあったので、出国手続きをしてから荷物の受け取りにゆく。

しかし待てども待てども私達の荷物が回って来ない。
そのうちに荷物の返却は終了...って事は最初から荷物紛失?(^-^;)青いぞ!
しかし、空港係員いわく、私達の荷物はカンボジアに直行との事。
不安を残しながらもそれならば、と待ち合わせの第一ターミナルの出口に向かう。
しかしそこに私達を待つはずの現地ガイドはいない...。
しかも他のツアーのガイドさんいわく、私達は空港を出ずに直接カンボジアに行くのだそうだ。...て、何も聞いてないよお、JTB!

時間はだいぶロスしている、おまけにバンコク空港は第一〜第二ターミナルまであってやたら広くて分かりにくい。
なんとかチケットを購入しようとするが、ここでさんざん待たされる。
おまけに一回出国してしまっているので空港使用税を支払って出国手続きして...
カンボジア行きは第二ターミナルなので距離あるし...
飛行機の出発時間に間に合うのか、あまりに遠いぞカンボジア!
最後は見かねた空港係員が案内してくれた。
バンコク空港内では冷や汗かきながら3〜5kmは早歩きしたな。
準備運動にしてはハードだぜ。

時間ギリギリでなんとかカンボジアのシェムリアップ行きの飛行機に間に合う。
乗客は50人ほどの小さなプロペラ機だが、搭乗の不安よりも安堵感のみ。
シェムリアップのホテルは快適なリゾートホテル。
着いた時は、とにかく無事到着した事に乾杯!